権威が絶対的であることについてとやかく言うつもりなどないが
2017/02/28
やっぱり結局は何とかなってしまうのか。
まあ、最終的におそらくそーなるであろうことは分かっていたにせよ、今回は初のケースだったので、対象が友人でありながらも興味深く見守っていた。いや、中には入れないから出口付近の椅子に座っていただけで別に直接見ていたワケではないのだが。
そう。場所はノイバイ空港。パスポートの有効残存期限が6ヶ月を切っている為入国審査で止められている友人はその件を日本出国時のチケットカウンターで初めて知ったという。外国にVASAなしで入国する際の条件のひとつだが、ヴェトナムの場合はしばらく前に必要な有効期間が3ヶ月から6ヶ月に伸びたばかりであり、その手のルールにはヒジョーに厳格なのだ。
30日ルール、つまり「VISAなしで出国してから30日以内に再入国する場合VISAが必要」という規制がかかった時に残存期間も短縮された。2015年1月1日だから二年前のことか。私の会社のゲストはこのルールに引っ掛かって空港でVISAを取るケースが多いし、最近では出国時にチケットカウンターで「招聘状がないと発券できない」と言われることが増えた。入国できない場合チケットを発券した航空会社に本人を帰す責任が発生するのでそれを嫌がるようになったのだろう。つい先日も、バンコクのヴェトナム航空のカウンターで「PDHファイルではダメだ」と言われわざわざプリントアウトした招聘状が必要だったという話を聞いたばかりだ。ヴェトナムはよほど厳しいに違いない。
で、今回のパスポート有効期限違反の場合はどーなのか?
結果的にはやはり「VISAさえあればだいじょーぶ」ということのようだ。
顛末を簡単に説明しよう。予約したチケットはタイ航空のナゴヤ発バンコク経由ハノイ着(往復)の便である。
まず、中部国際空港のタイ航空カウンターで、タイ行きのチケットは発券されるがその先、つまりバンコク→ハノイの便はコンピューターが受け付けない。と受付嬢に言われていた。パスポート期限切れの件はこの時点で気付いたので当然招聘状などない。混んでいたらしく搭乗まであまり時間がない。私が連絡を受けた時点では書類を作って送る余裕はなかった。電話を替わったら「入国できるという何らかの書類があれば、それをタイのカウンターで見せてもらえば発券できます」とのことだったので「手配する」と答えた。
お分かりだろうか。よーするに、タイまではオッケーなのだ。聞くところによるとタイも同じく残存期間は6ヶ月必要なのだが、帰りのチケットを見せれば基本入国可能らしい。いろいろ厳しくなっているとは言えやはりまだまだユルいのだ。
てことは、もし仮に直行便なら完全にアウトだったワケで。航空会社問わず招聘状なしでは発券されなかったはず。経由便で良かったと言えよう。
書類をPDFで送り、スワンナプームのカウンターを無事通過。トランジットは1時間50分だったらしく、預けた荷物を一旦ピックアップしてイミグレを通過してから4階の出国フロアまで移動、再度チェックインするまでの時間としては結構タイトだったに違いない。実際N氏は「走りまくった」と証言している。午後4時。バンコクは時間帯によってかなり混み合うのだ。
さて、ここでひとつ問題がある。もちろんVISAの件だ。通常正規でVISAを取る場合は大使館が発給するが、ヴェトナムの場合空港でも取れるようになった。アライバルヴィザというヤツだね。30日ルールに対する規制緩和だろう。但し、あらかじめ用意が必要な招聘状には当然大使館の受付番号が必要なはず(招聘状自体が空港のイミグレで発行できるとは思えない)。てことは、さっき送った書類は……。ま、細かいことにはツッコまぬように。
では、もし仮にそれが正規でないとしたらどーなるか。当然のごとくウルトラCである。どの国でも必ずある奥の手というヤツ。
しかし、これには時間が掛かる。通常、手配する間パスポートチェックの手前で待ってもらわなくてはならないが、そのまま行こうとするとマズいことになる。
昨日もそーなった。イミグレ係官は勝ち誇ったようにパスポートを取り上げて「バックトゥージャパン!」の一点張りだったという。「ちょっと待って今ヴェトナムの友達に連絡取るから」などといくら言い訳しても「タイムアップ!」と何度も厳しい口調で告げられた、と。
「最悪タイに戻るしかないな」と考えたらしい。その場合、預けた荷物はどうなるのか?チケットは??
実はここが興味津々の部分。今までにそういう憂き目にあった人を知らないからねえ。
チケットはおそらく定価で購入するしかあるまい。しかし、どーやって?
例えばネットで買ったとして、どちらにしても一度カウンターで発券して荷物を預ける必要がある。てことは一旦ヴェトナムに入国しなくては不可能なのではあるまいか?ん?一旦入国??入国できるならそのままいなくなれないいという話になるぞ。ひょっとしたら監視付きで、帰国便に乗るまでイミグレ職員がずっと見張っているのかな。いや、少なくとも再出国するまで?
あるいは、「航空会社の人がチケット発行したのが悪いんだよ〜。ちゃんと連れ帰ってくれないと困るよ〜」とゴネてみたらいったいどーなるのか?「もし入国できなかったとしても自己責任です」という書類にサインしていれば別だが、そーでなければタダになるかも。
う〜ん。謎だ。
結果的にはコネクションを利用してVISAが発行された。そして、N氏はその場で18,000円程払わされたらしい。正規料金に更に乗っかっているのは言うまでもあるまい。所要時間約二時間。
「もう勘弁してよ〜。めちゃめちゃ疲れたわ〜」とはご本人の弁。
正直な話、(もし入国できなかったらどーなっていたのか?)とほんのちょっとだけ思ったが、大切な用事があったので実際はそーもいかぬ。
感想を言えば、権威主義の分かり易い例でありこの国の象徴的出来事。気分は決して良くない。
既に相当キライなヴェトナムのことが更にキライになった。
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