P.R.Iパタヤ総合研究所

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雨季の始まりの予感は切なさと共に(某化学調味料に捧げるオマージュ)ー後編ー

      2015/06/13

そして火曜日の夜。

たまにはクラブ某「insomnia」にでも行こうかな、と思い「WS」を歩いていると、ガウンを羽織ったA嬢とバッタリ会う。某「HAPPY A GOGO」で働く彼女は最近「ショウガール」に転身したばかり。「今から系列店を廻る」というので、そのまま某「Beach Club」に連れて行かれた。

A嬢(*イニシャルではない)はコラート出身の二十一才で田舎に三才の息子が居る。もう長い間友達のPー嬢が同店に移籍してすぐに仲良くなった「妹分」であり、何度か一緒に遊びに行ってからもう一年以上経つだろうか。「お腹ポッコリ」だがなかなか可愛らしいコである。

某「Beach Club」にて先日の「風紀係目線」でダンサーを眺めていると、かなり怪しいコが一人居た。おそらくまだ十八、九才だろう。私の目は誤摩化せないぞ。
しかし、タイホする権限はないので黙って店を出る。その後某「HAPPY」に行くとA嬢がやって来た。

ハッピー

ドラフトビア

別に彼女のことを好きなワケぢゃない。いや、正直ちょっとは好きだけど「寝たい」とは思わないしこれ以上仲良くなりくもない。たまに店で一杯ご馳走するくらいの間柄が丁度良いのだ。なのに「コラートから友達が遊びに来ていて、明日帰るから一緒に遊びに行こう」とせがまれ、ペイバーするハメに。
「55嬢を連れ出す」なんていったい何年ぶりだろう。そんなお金を払うのはバカらしいからいつもは店が終わってから遊びに行くのに。

J嬢

「友達がローイエン(22211)に居る」と言うが「ローイエン(ミドルトーンからロートーン)」がどこかサッパリ分からない。案内されるままバイクで到着したのは何と「Royal Garden Plaza」だった。タイ人が発音する英語のアクセントはフツー「語尾に向かって一度上がってから下がる」のだが、ごくまれに「平板から下がる」ことがある。「マクドーナン(222211、Mcdonald)」とか「カイマック(22111、Clymax)」などがそうであり、ヒジョーに混乱する。「ローイエン」が「Royal」だとはさすがにすぐには気付かなかった。

某「Pizza Company」で食事中の友達と合流。ジョムティエンのレストランで勤めるカップルとコラートから遊びに来た女子の三人だ。二十代半ばのカップルは割とオトナな話をしていたので、「プラユット様が最低賃金を300THBから引き下げるのをどう思う?」と話題を振ったらかなりアツく語っていた(反対らしい)。

某「タムナーンチョン」(イサーンディスコ)に誘ってみたものの、仕事が朝早いらしく結局彼女らと別れ、A嬢と二人でバリハイ埠頭のビーチ沿いのバーに行く。

バリハイ埠頭のバー

海沿いの店

「ラオパン(2211)」つまりフローズンダイキリ的なモノ(130THB)を注文し、つまみは店の前の屋台でイカや練り物を購入して持ち込むという若いコお約束のスタイルだ。
つまみを買う

多少夜景が見えて雰囲気は悪くないけれど、海が汚いことを知っているからそこまで優雅な気分にはなれない。優雅に飲むならば個人的にはホテルのラウンジの方が良いが、価格は三分の一以下なので贅沢は言うまい。

深夜三時近くになり「そろそろ姉貴(Pー嬢)を起こさなきゃ!」となる。実はPー嬢、「55」を辞めて新たに「鶏の唐揚げ屋台」を営んでいるのだ。そんな時間から仕込みを始めるのか。ご苦労なことだ。

「アンタに会いたがっているから一緒に行くわよ」と連れて行かれる。そして事件は起きた。

現場に着いてもPー嬢が居ないので電話すると、あろうことか途中で事故ったらしい。

「場所を説明するの面倒だから私が運転する!」。
ワンピース姿で勢い良く我が愛車「Fino」に跨がるA嬢。後ろに乗って被っていたキャップをひっくり返す。メチャメチャ飛ばすのでビビってメーターを見てみると針はなんと80km/hを指していた。サウスパタヤ通りと平行している裏道であり、深夜で交通量は少ないとは言えそーいう時の方が本当は危ないのに。

「コワイよ〜!助けて〜!!」と、ニッポン語で小さくつぶやく。彼女の手前私だけヘルメットを被るワケにはいかないし、そのスピードでコケたら一完の終わりだ。「ミイラ取りがミイラに」なるパターンが脳裏を過る。
しかし、何とか無事に現場に着くと、バイクが三台と五人程が立ち尽くし、暗〜い雰囲気を放っていた。どうやらバイク同士の事故で相手は十代半ばの若者。

よくある右折と直進の事故で、Pー嬢がゆっくり右折しようとしたら若者のバイクがすっ飛んで来たと言う。彼女はコケて右半身をしたたか打ったらしいが、骨折はしていない様子。カスっただけなのか若者達は平気みたいで、間に入った人の良さそうなおじさんが双方にいろいろ説明していた。

「お嬢さんはとりあえず病院に行った方がいい。ケーサツは呼ばないでおくよ」とおじさんは言うが、まあ仕方あるまい。どう見ても相手は無免許だし、保証など到底無理だろう。

A嬢が後ろにPー嬢を乗せてとりあえず店に向かうと、突然雨が降り出したので軒下にバイクを停め、雨宿りする。久しぶりの大雨であり、まるで雨季の到来を告げるように強く激しく降り続く。
すると、Pー嬢の説明を聞いていたA嬢は降りしきる雨の中に。空に向かって手を合わせ、何かを祈っている。なるほど。「私達にもう悪いことが起きませんように」ということか。タイではとかく「水」を大事にするので、そーいう意味に違いない。ずぶ濡れになるのも構わず彼女はしばらく祈りを捧げていた。

7-11で雨宿り

雨足がやや弱まった隙に何とか店まで辿り着き、A嬢はそのままバイタクに乗り換えて家に帰る。結局、病院には行かず某「7-11」の前の屋台で鶏の唐揚げの仕込みを始めるPー嬢。雨はなかなか降り止まず、食材と彼女が濡れないように日除け用の大きなパラソルを持たされるままに作業を見守る。
仕入れてあった鶏肉に包丁で切れ目を入れ、某「味の素」と「ココロッティー」(いずれも化学調味料)とニンニク、醤油その他で下味を付ける。作業をしながら時々顔をしかめる彼女。まだ右半身が痛むのだろう。

唐揚げの下味

下ごしらえ

横ではザルに入れたカーオニャオが蒸されている。
カーオニャオ

その背中が語っているのが私には見えたのだ。

「タイで生きるとはこーいうことなのだ」と。

味の素

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