タイ第30代首相は貢献党のセッター（Ⅰ）氏に決定！

「ああ。これでまた4年はダメだわ」

サウナの受付のおばちゃんはそう言って項垂れた。（軍政はもちろん）タクシン氏のことも好きではない、とのことだからやはり気に入らないのだろう。何故なら新しく首相に決まったセッター氏はタイ貢献党の議員であり、同党はタクシン派なのである。

そう。昨日ようやくタイの新しい首相（第30代）が決定したのだ。

Twitter上でその名前表記がセターセータースレッタと混乱していたので、タイ人にその正しい発音を聞いてみようと、サウナに行った際何人かに質問してみた。つまり、新しい首相についてどう思うか？と。
で、念の為YouTubeにてニュースもチェックした結果私の耳で聞く限り＜セッターⅠ＞氏に決定である。

5月に行われた今回の下院総選挙にて最多得票を獲得して第1党となったのは野党の＜前進党＞であり、党首のピター氏はハーバード卒の秀才でイケメン、42才とまだ若い。国民の人気もあり首相には適任と思われたがしかし…。首相に指名されるには上院議員の票も加えて過半数を取らねばならず、野党のみの連立（8党）では結局届かなかったのである。

当時チェンマイに滞在していた私は、いろんな人と話した末ピター氏への期待とそれを裏切られることに対する無念さをローカル民から感じ取っていた。「もーアタマニクルわ〜！」とTVのニュースを観ながら食堂のおばちゃんまで皆怒っていた。
もちろん政治のことなどよく分からないしあくまでも私の個人的印象に過ぎないが、選挙で勝った党の党首が首相になれないというのは（確かになんかおかしいな）と、うっすら思っていたのだった。

その後すったもんだがあって、今回第二党となったタクシン派の＜貢献党＞が野党の連立から離脱し、新たに軍政を推す親軍政党二党を加えた11党の大連立を組んだ末クーデター以来9年ぶりに与党に返り咲いた、という結果になった。ただ、「親軍政党とは組まない」という選挙前の公約に反したこともあり、世論調査では国民の65%が反対と、厳しく評価されているようだ。

一方の＜前身党＞は「不敬罪の改正」「徴兵制の廃止」を公約に掲げたことで選挙では若者の圧倒的支持を得たようだが、それらの政策の為連立がうまくいかなかった（保守派と相容れなかった）のでは？という見方もあり、内容は複雑。個人的にはリベラル派の気持ちも分かるけれど、果たしてどーだろう。

いずれにせよ、私が興味があるのは主に経済の部分であり、この国の経済発展が順調に続けばいいなと思う。単純に景気が悪くなって欲しくないというだけのことだが、タクシン派が政権を取ったのだから大丈夫かな？ただ、連立した党が多くて意見まとまるのか？という不安はある。だって、＜赤＞と＜黄＞が完全にミックスされてるワケでしょ？揉めるに決まってるぢゃん！
まあ、結局は国民の不信感をどう払拭させるかにかかっているが、決まった以上はお国の為に頑張って欲しい。

61才、身長192cmという大手不動産ディヴェロッパーCEO出身のセッター氏の手腕はいかに。

今後が楽しみである。

タイ(海外生活・情報) ブログランキングへ

＊最近食べたものの写真。