P.R.Iパタヤ総合研究所

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「お話があります」と従業員から言われる時

   

「お話があります」と、従業員から言われればそれはもうほぼ「辞めたい」という内容に決まっており、会社経営者や役員幹部の方達ならよくご存知であろう。自らの記憶を辿ってもその「お話」が辞意以外だったことなど一度もない。

個人的には来る者拒まず去る者追わずであり、原因はこちらサイドにあるのだからと割り切るしかないと思っている。

今月に入って社員が三人辞めた。

私が知ったのはヴェトナム人パートナーからの報告による。本人から「今までありがとう」のひと言すらない。

彼らは例外なくその日に辞める。つまり引き継ぎという概念がないのだ。自分が辞めたら会社が困るからせめて代わりの人が入るまで頑張ろう、などという気持ちなどサラサラない。と、断定するのは良くないが、おそらくそーなのだと思う。誠に自分勝手だし、だからこそヴェトナム人なのだ。

そーだそーだ。そーに決まった。

ただ、そんな風に考えるのは逆に日本人だけなのかもしれないな、とも思う。海外で暮らしていると、我々の常識がいかに世界基準とかけ離れているかを思い知らされることも多いし、変なのはむしろ日本人であるケースもきっとたくさんあるに違いない。

そしてヴェトナム、特にハノイの良いところは人材豊富な点であり、募集すればすぐに人がやって来る。
但し、カーケアサーヴィスという仕事はやはり3K的要素があるので続かないことも多く、実際ここ何日かで新しく二人入って一人は一日で、もう一人は何と数時間、つまりタイヤ四本洗ってアッという間に辞めたのだった。
でもその方がずっとマシだ。何ヶ月も経ってようやく仕事を憶えてきたのにいきなり辞められては困ってしまうではないか。

今日からまた新たに二十代の活きのいい男子が二人やって来たが、続くかどうかは分からないし期待もしない。いちいち気にしていても仕方がないし、例え可愛がったとしてもプイッと背を向けてサッサと去って行くのだから感情移入はヒジョーに危険である。気が小さくハートが弱い私などはそんなことくらいで結構傷付いたりもするからね。

離れてから十年近く経つのでよく分からないけれど、最近は日本でも似たような状況と伝え聞く。イマドキの若者はクールというか何というか、とにかく彼らには会社への恩だとか上司や先輩に対する尊敬の念などおそらくカケラ程もないのだろう。まあそれで良いのかもしれないけれど少しばかり寂しい気もする。一緒に仕事をする上において、近頃では人情とかそういったモノはややこしいだけでかえって邪魔なのだね。きっと。

しかし、新入社員を募集しても職種によってはなかなか来ないのがこの国と違うところ。というワケで、外国人労働者の需要が高まるのも当然の流れと言えよう。やたらと日本へ仕事をしに行きたがる若者が多いヴェトナムとは相思相愛の関係である。まあ、いつまで保つか分からぬが。

そんなワケで、絶対的に人が足りなかったのでここしばらくは作業に追われる日々だった。

車のマットを洗い室内を清掃しタイヤ&ホイールを磨くという、外部を洗う部隊とは別のB作業はどちらかと言えば下働きっぽい。私が手伝うとすればそちらであり、当然のごとく体にはキツい。特に腰の悪い私にとってはなかなか大変で、一日五台とか六台となるとヘトヘトになってしまう。タイヤだけ28本洗ったこともあるが足腰がガクガクになったものだ。

お客さんを待たせるワケにはいかないので仕方がない。車がキレイになるのは気持ちが良いし仕事が終わると爽快感もある。だから、洗車一台分の料金に対し自分の人件費を計算して切なくなるなどまったくもってナンセンスである。ここは外国であって私はビジネスをしに来ているのだ。

それにしても、リアホイール側のタイヤハウスを洗っていると恐ろしい程の泥や土がこびりついていてビビる。ハノイの街がどれだけ砂まみれなのかが分かるし、頻繁に洗車をする必要性も感じる。汚れていればいるほどキレイになった時に気持ち良くもなる。

一番キツいのはファブリック系のマットの掃除であって、よくあるタイプのゴム製のモノならば水洗いの後洗剤を使ってブラッシングするだけだし高級車のレザー(ビニイル含む)系ならば水を絞った布で拭き取るだけなのだけれど、ポリエステル系の繊維を使ってある場合だと水洗いができないのでエアーを使って砂を吹き飛ばすしかない。繊維の隙間にとんでもない量の細かい砂が果てしなく埋もれていて、いつまで経ってもキレイになどならずキリがないから、どこまでやったものか?と悩む。当然のごとく空中に大量の砂埃が舞うのでマスクをしていても口の中に入ってきそうだし、顔や髪の毛が砂まみれになってしまうのだ。

だから、ドアを開けた時マットを見て「ああ、またか」と思う。比率は低いがやはり何台かはあるのだ。

ところで従業員は月給三万円スタート。さて、自分がヴェトナム人ならこの仕事を選ぶかどうかと言えば甚だ疑問ではある。

昨日から働いている二人に一応聞いてみた。

「車は好きかい?」

「好きです」と言うが、

果たしてどーだろうか。


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