輩達との闘いは果てしなく続く
2016/04/04
「十倍かよ!」
遂に捕まった。
まあ、ハイシーズンのパタヤと遜色ないほどケーサツがそこら中で目を光らせて居るし、彼らの目的は当然「ヴェトナムドン」であり、止められたら最後「なんだかんだ」とイチャモンをつけられて袖の下をむしり取られるのだ。
毎日運転しているし段々慣れて来たけれど、まだルールを完全に把握しているワケではない。
今日は休日。一人で「AEON MALL」に行こうと思い立ち、下道を使ったのが間違いだった。どうやら、バイク専用道路に紛れ込んでしまったようでベージュ色の制服を着たケーサツ官にキッチリ止められたのである。
見た目はひ弱そうだが、態度はかなり威圧的。窓ガラスを警棒でカンカン叩かれ、免許を奪われて近くの交番前まで連れて行かれた。
ボスに電話して替わってもらい説明を聞くと、「違反したらしいなので、おとなしく500000ドン払って下さい」とのこと。仕方なく、交番で違反切符書類を書き始めた輩にブルーの紙幣を一枚渡そうとすると、ブンブン首を振られ「二枚だ二枚!!」と倍額を請求される。一枚2500円だから二枚で5000円だぞ。おいおい。タイの約十倍の金額ではないか。タイでなら「私はこの国を愛している。でもお金がないんだよ。何とか負けてくれ」などとまだ説得の余地もあるけれど、言葉がまったく分からないし、そーいったおべっか的なことが通じそうな雰囲気はゼロだ。十万ドン紙幣を一枚足して600000ドン渡そうとしたら鬼の様な顔をされ、諦めて1000000ドン渡すのだった。
1000000ドン!!フォーが三十杯食べられるぞ!!
あ〜あ。高い授業料だったなあ。
本来なら街中で移動するなら間違いなくバイクの方が良い。停めやすいし渋滞にもハマりにくいからね。しかし、現状は社用車の某SUZUKIのワゴンを使っている。私の為に用意された某HONDA「WAVE」はある理由で無くなってしまったのである。
実は、その顛末がヒジョーに笑えるのでご紹介しよう。
既にご紹介した精力絶倫の32才L君は会社の同僚であり、ハノイ事情に疎い私は彼にいろいろお世話になってはいる。がしかし、日本在住歴がある割に日本語は下手だし、ハッキリいって使えないヤツ。とにかく女のコに手が早く、公私混同が甚だしいのだ。
ボスがしばらく乗っていなかった某HONDA「WAVE」を修理に出し、直って来たら私が使う予定だった。ただ、私は週の前半タイグェン県に出張でハノイに居ない為、その間誰も使う人間がおらず空いていたのは事実。
で、私が戻った木曜日。
「さて、バイクはどこだ?」と聞くが、L君はモゴモゴとハッキリしない返事。ボスが問い詰めると、どーやら誰かに貸しているみたいなのだが連絡が取れないらしい。何度電話しても出ないと言うのである。
「オンナですよオンナ!しかも水商売の!!」
取り上げたLン君のスマフォにはキッチリその相手の写真が入っており、メイクバッチリで胸の谷間を強調したいかにもなヴェトナム女子。
お前、それ完全に「借りパク」されてるやん!
よーするに、彼は女子を釣る際に権力をチラつかせたり見栄を張ったりするパターンがお決まりのようで、「このバイク使ってもいいぞ〜」と気軽に鍵を渡してしまったに違いない。そりゃ、相手が悪い輩なら「しめた!」と乗り逃げしても不思議はない。何しろこの国のバイクは高価なのだ。
ケーサツに連絡したものの時既に遅し。社長は激怒しているが、私はついつい笑ってしまって怒る気にはなれなかった。
知り合ったばかりの女子らしく、「一発二十万円かよ!高いオンナだったなあ」とからかうが彼にとっては笑い事ではない。何しろ数ヶ月タダ働きになるのだからねえ。
それにしてもなんとアホなヤツなのだ。まったくもう。
「〇〇さんも気をつけて下さいね。特に水商売のコには」。ボスはそう言うが、真面目な日本人の私に限ってそんなことをするワケが……。いや、そうとも言い切れないな。
まあ、同じ授業料だとしても、私の場合まだ安く済んだのだろうか。
どちらにせよ、この国をナメてはいけない。
盗難に対する警戒を怠ると「アッ」という間にヤラレそうだしケーサツのコラプション攻撃もスゴいし、まったく油断も隙もあったものではない。
今夜からまた滞在しているタイグェン県の大学近くのホテル(というかアパート?)に「日本人が居る」「どうやら大学で授業をしている」と誰かがサしたらしく、ケーサツなのかイミグレなのか知らぬが取り調べに来たそうだ。
もちろん私はヴィザを持っているし、しかもたまたま「研究者」名目だから大学に居ても不思議はない。
わはははは。どーだ恐れ入ったか腐れ役人共め!!
などと調子に乗っているとすぐに痛い目に遭いそうだ。
こちらに来る高速度道路上でもやはり要所要所でケーサツが網を張っていて、高速道にも関わらずたまにフツーの人が手すりに腰掛けていたりする。
「あの人達何?」と聞くと「ああ。あれはケーサツが雇っているアルバイトで、スピード違反してる車の写真撮って先の方で待っているケーサツに送るんです」だって。「人間オービス」かよ!すごいな。
タイからヴェトナムに移ってもやはりケーサツ&
水商売ガールとの闘いは果てしなく続くのだった。
*ハノイからタイグェン工業大学まで高速で毎週往復する。100kmほど離れており、ちょうどパタヤバンコク間くらいだ。
トラブルを解決?した後は現地の料理で接待を受ける。山が近いので山菜が豊富でウマい。タケノコ炒めとゼンマイ風のおひたし。
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