P.R.Iパタヤ総合研究所

タイ王国チョンブリ県パタヤ市及びその周辺においてのあくまでも個人的見解による研究、検証を元にした総合情報サイト。

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想い出を語るようになってはもうオシマイと分かってはいても

      2017/08/10

そんな時代もあったね、と、中島みゆき嬢が歌ったのが1975年。もう42年前なのか。

昔を懐かしんでみたところでどーにもならないことなど重々承知の上で、年を取ってくるとしばしば「あの頃はよかったなあ」などと思い返してしまうものだ。
時代というのが確かにあって、長さスパンは問わず前後の流れからひとくくりに捉えられる塊のようなモノを我々はそれぞれにいくつも持っている。

半年程前からずっと今後の身の振り方を考え続けているワケだが、タイに戻るというチョイスについて想像する度、随分窮屈になってしまった現状と対比して良かった頃のイメージを思い浮かべ溜め息を吐く。

実際、タイに移住してからの日々は本当に楽しかったから仕方ない。もちろん苦労もあったしツライ思いもしたけれどトータルすればそれらは皆小さなことと言えよう。まあ、仕事もせずフラフラしていたのだから当たり前だとしても、素晴らしい気候の中、自由な楽園でのアメージングな暮らしは鬱屈した私の精神を解き放つ最高の機会だった。

何もかもが珍しかった初期、やや飽きながらも言葉を憶えて安定してきた中期、パタヤに移住してダラダラした後期に分けたとして、最も充実していたのは中期だったのかもしれない。仮に時代を分けるならば丁度良いのがタイの政権であり、民主党のアピシット首相時代、タイ貢献党のインラック首相時代、そしてクーデターによる軍事政権時代にピッタリとではないまでも大体符号するのではなかろうか。

正確には暮らしていて一番ラクだったのはアピシット時代だった。主にバンコクの富裕層が支持する民主党は細かいことに厳しくなくて、夜遊びやヴィザの問題などでさほど苦労した記憶はない。しかしそれがインラック首相になってから随分変わったのを憶えている。ナイトクラブの取り締まりや外国人の滞在許可が厳しくなってやや住みにくくなった印象だ。そしてそれは軍事政権になって更に加速する。

ただ、個人的にはやはりタイ語を憶えて行動範囲が一気に広くなった三年目くらいからいろんな意味で内容が濃くなって生活に深みが出て来た。当然平行してイヤな部分もたくさん見えてくるワケだが、それも含めてとにかく楽しかった記憶がある。

特に印象的なのは「ラーンドン」という名のいわゆるローカルディスコに象徴される夜遊びで、毎日のように通っていたそのハコに深夜3時、4時に決まってケーサツがやって来て店内が明るくなり「十代のガキは全員表に出ろ!」と言われるままにフロアーからほぼ全員が居なくなるというトンデモナイシチュエーションが面白くて仕方なかった。とにかくその店では危険なことも含め様々な事件が起こったものだ。
おそらくトータルで一年位だが、身も心も充実していたあの頃がおそらくタイでのピークだったな。敢えて名付けるなら「ラーンドン時代」ということになるだろう。

車を買ったのもその頃だった。
タイに骨を埋める決心をより具体化する為に思い切って某日産マーチの新車を購入。当時国内で買える最安値の車種であり、タニっ娘(タニヤで働く日本人相手のカラオケ嬢の総称)達にバカにされつつも内心は嬉しかったものだ。

そんなインラック時代を想い出すと、「あの頃はよかったなあ」と胸がチクチクしてしまう。

バンコクに四年住んだ後パタヤに引っ越した当初もよく遊んだけれど、その頃には正直もう既にタイ自体に飽きていた。それでも、いよいよ「何もしない」ことに達観し始めていて「ボーッ」と過ごす日々は自分なりに決して悪いものではなかった。家ではただひたすら映画のDVDを観て、夕陽の見えるカフェで本を読み、夜はたまにフラフラと飲み歩く。クラブも某「インソムニア」ほぼ一択で単調この上ない生活だったけれど、独りでいることに全く寂しさを感じない私にとってそんなゆっくりした時間の流れも決して苦ではなかった。ただ、刺激がない件だけは確かだったにせよ。

「毎日何をして過ごしているの?」と知り合いに問われる度にそのような説明をしても「信じられない」「ゼッタイにムリ!」などと驚かれるばかり。現実問題、フツーぢゃないことくらいはさすがに分かるし「変人の変態」と自負?してもいる。しかし、ある意味贅沢とも言えるそんな生活がいつまでも続くはずはなかったのである。

遊びに行くならタイはとても楽しいところだと、今でも思っている。しかし、仕事となるとそーもいかないこともなんとなく分かるから、すんなり戻る気にもなれず悩むばかり。

いずれにせよ、もう二度と経験できないような

楽園での暮らしがそこにはあったのだ。確実に。


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