タイでは珍しい?ホスピタリティーの素晴らしいホテルについて
普段私が行かないところに行くし、当然経験や勉強になる。知る必要のない情報を知る結果になったとしても、そこからでもやはり得るものはあるのだ。概ね私にとってプラスになることはなくどちらかと言えば(はーん?)と疑問に感じる場面が多かったが、まあ時代の流れといったところだろうか。
まずはホテルについて。これはなかなか良い話である。
二日目の朝ご飯中、Yさんが足の異変に気づく。「あれ?傷があるぞ」。見てみればスネの辺りにスッと軽い引っ掻き傷のような赤いラインが。
「痛くないんすか?」「うん。そんなには」「どこでついたんでしょうねえ…」
で、ホテルの部屋に戻り、ベッドの脇で「イテテッ」となる。見ると、ベッドのマットレスを置く土台の角の部分が金属で補強されており垂直に尖っているではないか!ははーん。これだな。
この写真は角を削った後であり、つまりホテル側がすぐに対応したという証拠である。
「これはアカンですよ〜!」ということで、早速フロントへ電話。するとすぐにスタッフが部屋にやって来た。そこで、「この角で私の大事なゲストが足を怪我したぞ!どーしてくれる!?」とタイ語で迫る。すると、「申し訳ございません。すぐに治療しますので、フロントまでお願いします」とのことで、降りて行くと女性スタッフに案内され、消毒した上で薬を塗ってくれた。
「まずは悪くない対応ですね」と、我々は納得する。元々フロントのメンバーにはニッポンから持参したお菓子を何度も振る舞っており、我々の印象は良いはずだし、そもそもこのホテルのスタッフは挨拶や対応が感じ良い。
で、掃除の札を出して出掛けてから再び戻って来た時に、「まさか改善されていないですよねえ?」とベッドを確認したところ、なんと上の写真のように角が削られていたのである!素晴らしい♪タイとは思えない対応の速さに我々は驚きを隠せなかった。そして、別の部屋、つまりHさんの部屋も同様の措置が取られていて更にビックリ!
「このホテルなかなかやるなあ」などと話していたYさんが鏡の前に置かれているフルーツ盛りに気づく。「なんぢゃこりゃ!?」そこには2段に美しく盛られたフルーツのプレゼントに手紙が添えられていた。
「今回は当ホテルの不行き届きでお客様にお怪我をさせてしまい、大変申し訳ありませんでした。云々かんぬん」。
いやいやいやいや。タイのサーヴィス業全般のイメージは実際問題さほど良くないし、対応に腹が立つことはあっても感動することなど未だかつてなかった。ま、感動は大袈裟かもだが、ぶっちゃけ一流ホテルでもなくせいぜい三つ星程度の(*確認したら4つ星でした。失礼!)一泊朝食付き1900THBのホテルでこれだけキチンとした応対をされてしまうとちょっと誉めたくもなるではないか。おそらく我々(タイを舐めている?)日本人だからこそ感じる種類のホスピタリティーの良さ。ま、正直ニッポンでなら当たり前だよね。これくらい。
こーなると、まあ私にできることはホテルのレヴューを好意的に書くことくらい。だから、その件を話して、部屋の写真や朝食の写真を撮らせてもらった。
フツーならここで終わるが、そーではなかった。
「せっかくだから、年末の予約もしておこう」とYさんが言うので、まずはフロントに日程を伝え値段を確認。ハイシーズンということで朝食なしのプランはなく、スタンダードルームで1900THB、少し大きなサーヴィスルームで2200THB、更に大きな角部屋デラックスルームだと2800THBとのこと。いずれも定価300THBのブュッフェ朝食込みの価格となる。で、ネットにて某「AGODA」で検索。すると、なんと素泊まりで同価格だった。つまり、某ホテル予約サイトよりも直接予約の方が朝食分お値打ちということ。おいおいおいおい。どーなっとるんや〇〇アゴダ!
ただ、こーいうことはよくある。私も今まで何度も現地直接予約の方が安いという経験をしているから別に驚きもしないし文句も言わない。安い方で予約すれば良いだけの話。ちなみに私は某「Booking.com」派だが。
それを確認した上で、正式に予約。ここで私は気を利かせ、フロントのオネーサンにお願いしてみる。
「今回色々あったけれど、このホテルの対応の素晴らしさにウチの社長は甚く感激している。故にこの先もずっとここで泊まるとおっしゃっている。そこでだ。二部屋予約するうち一部屋をデラックスルームにしたいのだが、今回だけ少し値引きしてはもらえないだろうか?」
もちろんタイ語で、割と丁寧に頼んでみた。まずは相手の対応をしっかり誉めて、というところが重要である。そして、毎日ニッポンの駄菓子を賄賂(?)として渡してあるから彼女らの印象は悪くないはず。
二人で顔を見合わせるフロント嬢。そして、少し離れたところにはマネージャーらしき制服の異なる女性の姿が。
「私達には権限がないので、マネージャーに直接話してもらえますか?」
「分かりました。ところでマネージャーはウチの社長の怪我の件はご存じなのかな?」
「はい。もちろん事情は詳しく。対応も全てマネージャーの指示でしております」
「なるほど。それならば話は早い」
面倒だったが、同じことを女性マネージャーに説明する。すると彼女は慇懃無礼にこう答えた。
「大変申し訳ございませんがお客様。年末年始に関してましては当ホテルも毎年早くから埋まります。特にデラックスルームはワンフロアに一部屋なので値引きというワケにはなかなか参りません」「そーですか。まあ仕方がないですな」。そのままYさんに伝えると、「2400の部屋と2800の部屋の違いを見たい」とのこと。
で、係のオネーサンに案内してもらい部屋の広さの違いを見て回る。やはりデラックスの角部屋がより広いものの「まあ中間の部屋でもいいか?」ということに。下に降りてフロントに戻ると、マネージャーがニコニコして待っていた。
「お客様。先ほど私どものボスに確認を取りました。今回は特別にデラックスルームを一泊2000THBに値引きさせていただきます。但し、朝食はつかない素泊まりの価格となります」
「本当ですか?それはありがたい。社長も喜んでくれます」
「今後とも当ホテルをご贔屓にお願いいたします」
「はい。もちろん」
これはなかなかのレアケースではなかろうか。やはり、ホテルの備品で怪我をしたのが効いたか。いやいや言ってみるもんだ。
というワケで実質的には一泊500THBの値引き(20%オフ)となった。計5泊だから2500THBつまり1万円。なかなか太っ腹ではないか!
「この件は内緒で♪」とは言われなかったので、金額までしっかり公開させてもらおう。
ホテルの名前は
#ACQUAhotel である。(Cがいるのか?)と思ったらどうやらイタリア語っぽいな。ま、日本人には有名らしくお盆で宿泊客も多かった。
だから敢えてレヴューするまでもないかもだが、約束したので別記事で後日アップすることにしよう。
どう?なかなか
良い話でしょう?
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