P.R.Iパタヤ総合研究所

タイのリゾートパタヤの総合情報サイト。ブログ記事がメインです。

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「ライバルが多過ぎるんだってば!」と、叫びたくなる気持ち

      2017/05/23

タイに行って来た。

もちろんパタヤにも寄ったので、このサイトの主旨からすればその場で感じたことを生の声としてお伝えせねばならないし実際色々と思うことはあったのだけれど、叔母が亡くなったとの一報を受け当時はどーしてもそんな気分にはならなかったのだ。

というワケでハノイに戻って数日経った今、忘れてしまわぬうちに記事を書くことにしよう。

バンコクとパタヤで用事があった為ソンクラーンを避けて11日まで一週間程滞在。

「そこまで暑くないな」と、タイに着いてまず思った。聞くと何日か雨が降っていたらしい。どうやらここ何年かの傾向のようだが、正月であるソンクラーン直前は結構涼しいみたいだ。

水掛け祭りと言えば、あまりの暑さに頭がおかしくなりそうになり「水でも掛けてないとやってられない」的なイメージだったけれど、世界的な異常気象の流れからなのか何だかそんなこともなくなってきたような印象であり、私のようにあまのじゃくな人間からすれば「どーせならソンクラーンの間も雨が降ればいいのに…」などとつい思ってしまう。しかし、さすがにそんなこともなく今頃タイでは大層盛り上がっているに違いない。

で、仕事先でタイ人と近況報告をし合っていると、景気の停滞、国民の不満など、現在の軍事政権がそこまでうまく国を動かしているワケでもさなそうな内容であり、あくまでも個人の意見だとしても大方そんなところだろうな、とも思う。しかし、逆に考えれば「まあまあうまくやっている」と捉えることもできるし、「反対派の不満をデモなどにぶつけようにも、軍が完全に武力で抑えることが分かっているから手の出しようがない」のだとすれば、何かと言えばすぐデモに発展して揉めてきた過去何年かの情勢よりはまだマシなのかもしれない。

街を歩いていれば物価が順調に上がっているのは分かる。それを実感するのは私の場合ホットコーヒーの値段だ。

アソーク交差点近くにある某韓国系コーヒーチェーン店で90→100へと10THB、パタヤで行きつけだったスイス系某カフェで55→60へと5THB。随分長い間行っていなかったセカンドロード沿いの某マックでは泥水のようなホットコーヒーが50THBにまで上がっていた。元々マクドナルドは店によって価格が違うし、そこは頻繁に値段が変わるのでもう憶えていないが、数年前は30バーツ台だったから50台というのはちょっとした驚きである。
ターミナル21にある日系の某ハンバーガー店でも52THBになっていたが、前回は確か46THBだった気がする。今回某スタバには行かなかったものの、同店を長い間利用していた私はまだタイに上陸した頃ショートアメリカーノのホットが65THBだったのが、そこから70、75、80まで上がったのを知っている。毎度毎度、その事実を目の当たりにした瞬間レジの前で飛び上がって「マヂか!」と叫ぶのがお約束であり、フレンドリイなスタッフに苦笑いされ続けて来たのだ。もうしばらくの間行っていないので、ひょっとしたら85THB、いや90THBになっているかもしれない。しまったなあ。確認してくれば良かった……。

とにかく、経済発展及び賃金の上昇に伴って物価が上がっていくのはとても健全なこと。そういった意味で、タイ経済がここまである程度順調に推移して来たのは間違いあるまい。問題はここから先の話だ。

さて、パタヤに移動するともう長くやっていたスクムヴィットロードの工事も間もなく終わりに近い様子で、渋滞もさほどヒドくない。そして、やはり工事中だった何軒かのショッピングモールも既にオープンしていたりと、景色がややキレイになった印象だ。

「central marina」はセカンドロード沿いにあった「central center」が改装してオープンしたモールで、大手のセントラルグループ出資でちゃんとしている。というか、いかにもタイ風な内装でパタヤ初のショップもたくさんあって盛り上がっていた。まあ、主に飲食だが。

そう。タイの場合ショッピングモールで飲食店はいつも盛り上がっているけれど、ファッション雑貨関係は今ひとつだと感じるのは気のせいか。いや、決してそーではあるまい。物販が好調でこその好景であり、飲食だけでは消費の数字がそこまで伸びるはずがない。確かに自動車は売れている(?)し某「IKEA」はいつも盛況だけれど、それだけでタイの景気を測るワケにはいかぬ。もちろんテナントが入ってさえいればショッピングモール側は良いが、要は入居しているテナントがやっていけなければ本当の好景気とは言えないのである。タイの家賃はヒジョーに高いしね。

「harbor PATTAYA」というモールがセントラルパタヤロード沿いのスクムヴィット近くにやはり去年オープンしていて、コレがスゴい。

何がスゴいのかと言えばカフェである。

元カフェ関係者としてどーしても気になってしまうのがその存在であり、モール内を一周して「う〜む」と思わず唸ってしまった。何となんとそこには六軒ものカフェが乱立しているではないか!

入り口の道路側に面してまず半地下に某「THE COFFEE CLUB」そして、道路から少し上がった1Fには某「STARBUCKS COFFEE」と某「au bon pain」、そして2Fには某「caffe Pascucci」。オーストラリア発の「THE COFFEE CLUB」以外はいずれもいわゆる「シアトル系」のセルフスタイルだが、距離にしてわずか数10mの間に四軒もの似たような店が連なっているのだ。写真では分かりにくいがこれはなかなか異様な光景である。

アメリカオーストラリアイタリアフランスと、先進国のカフェ真っ向対決の図が見事に出来上がっていて壮観と言えば壮観だ。韓国系が入っていなくて個人的には少し「ホッ」としている。だってそこに日本がないのだから悔しいではないか。かと言って某「ドトール」があっても何だか恥ずかしいが。

但し、そう感じるのは私だけだろう。フツーの人達はおそらく「カフェがたくさんあっていいな」「どこに入ろうかな?」程度の印象に違いない。
で、中に入ったら更に二軒ある。地元タイ発の「BLACK CANYON COFFEE」と「Coffee World」。いずれも多店舗展開のチェーン店だ。

しかし、コレはある意味タイっぽい風景なのかもしれない。
実際コンビニだって某「7-11」同士が数十メートルと離れず凌ぎを削り合っていて、パタヤには某「7-11」の隣りに某「Famiry Mart」が並んで立っている所すらある。あとは、ケータイショップだってモールの同一フロアに何十軒も鬩ぎ合っているし、同業者が近くに店を出すことについての危機感は薄くもはや戦略の一つとも言えるのだから。

それにしてもこの規模の建物内に6軒は異常事態だ。そしてこのモール自体。ハッキリ言ってかなりサムいのである。
http://www.harbor.co.th/index.php

立地はさほど悪くないかもしれぬが、狙っているターゲットはどうやらファミリー層で「キッザニア」やスケート場やゲームセンターがかなりの面積を占めているから子供達にとっては楽しいかもね。ただ、現状でそこまでたくさんパタヤにガキがいるのかと言えば、ハイシーズンもしくは普段でも週末以外にあまり見掛けることはない。つまり平日の夜などサムサムなのは当たり前だ。

ちなみに地下には某「Max Value」があり私の用事があるとすればココのみだが、総菜などの品揃えが悪過ぎてお話にならぬ。とは言っても日本人を相手にしたシーラチャの店に比べてなので仕方がないけど。唯一買おうか悩んだのは某グリコのアイスだけ。

「TUK KOM」的な電脳的ショップもチラホラあったが遠く及ばず。
レストラン街もイマイチだしフードコートに至っては空き店舗がいくつもあるし、既存店の内容もヒドい。

個人的に「再訪なし」は当然として、結論を申し上げれば先がヒジョーに危ういと言えよう。

仮に私がいずれかのカフェのマネージャーならば真っ青で既に自殺を考えるているかもしれない。
「ライバル多過ぎるってば!」と叫ぶしかない恐ろしい立地であり、あらかじめ情報を得ていたのだとすれば経営陣は皆いい根性をしている。

あとは、ビーチロード沿いにもひとつ三階建てのS.Cが建物のみ完成したが、こちらは未だに某マックと某銀行しかテナントが入っていない。場所はいいからおそらく家賃がメチャメチャ高いのだろうな。

そして、今勢いよく工事中の「ターミナル21」。セントラルグループのライバル、ザ・モールグループの相当大規模なプロジェクトであり、場所もいいのだけれど、正直言ってそんなものができたところでテナントが入るのだろうか?と、本気で心配になる。

一見ビーチリゾートっぽい雰囲気もあるにせよ、所詮は世界有数の下世話な歓楽街パタヤ。プーケットやサムイ島のような高級リゾートにはなり得ないし、イメージを変えようといくら頑張ったとしても限界がある。もちろん狙っている方向も分からなくはないが、どーしようもない事実としてそびえ立つ大きな壁が「雨季」という絶対的なモノである以上、彼の地で商売をするのは相当な覚悟を持って挑まなければならないのだ。

それはコンドミニアムなどの不動産投資でも同じである。

インカムゲインを狙う場合、長い雨季が大きなデメリットとなるのは間違いない。通年で借りてくれる客など地元タイ人以外ほとんど期待できない状況で、あるとしても私のようにフラフラしているリタイア日本人もしくは近郊工業団地に通う駐在員くらいのもの。その数がいったいどの位か分からないけれど決して多くはあるまい。

私の購入したビーチから程遠い低価格コンドミニアムにはタイ人及び西洋人らしき入居者をチラホラ見掛けるようになったが、それでも総戸数に対して一割に満たない。完成から一年半でそんな状況だから今後に期待はできないし、隣りに建設中のfase4は内装工事があまり進んでいない様子。顔を出す度にセールスの人間は変わっているし、ディヴェロッパーが倒産してしまうのではないか?と心配だ。
もし仮に貸したとしても9,000THB/月そこそこ。管理料を引いた実質収入は7,740THBで、購入金額(内装費含む)から計算しても年間利廻りは7%以下であり、そんな数字では人に貸す気などとてもしないし、元々自分で住むつもりで買った物件なので、まあ放っておくしかあるまい。

では値上がりに期待できるか?

答えは否だ。

私の物件に限らず、パタヤ全体を見ても今後コンドミニアムが値上がりするようにはどーにも思えない。今まではある程度売れていたのかもしれないが、完成したにもかかわらず現実に使っている部屋が少ないのだからやはり供給過剰とみるべきではなかろうか。仮にハイシーズンになっても稼働率が一気にあがるとは到底考えられない。
もちろんある特定の条件を満たしていれば値段に関わらず「欲しい」という客もいるだろう。しかし、全体の戸数から考えても例えば「ここなら住みたい」といった部屋はそんなに多くないはずだし、そういった物件だけガンガン値が上がっていくといったイメージもない。
新築物件の月貸しや日貸しの相場を見てもどうしてそんなに強気なのか理解できないし、投資家が机上の利廻りだけ見て買うような時代でもなかろう。一時期に爆買いしていたような中国人ロシア人のお金持ちも減ったようだし、パタヤに魅力を見出して投資する層が増えてもいまい。

ただ、バンコクの一部地域のように急激な値段の上がり方をしているワケでもなさそうなので、バブルが弾けるように一気に下がることはなくても、ある程度相場が高くなってしまった地域についてはいよいよ頭打ちなのではないかな。
たしかにパタヤビーチ周辺にはもうさほど広大な空き地が少なく大規模開発は減ることが予想されるので、一定の範囲内の海の見える部屋などは資産価値があるのかもしれない。

ジョムティエン地区でも利便性の悪い物件などは厳しい気がする。値崩れを起こしてもおかしくはあるまい。

街をバイクで流したりS.Cで買い物をしたりバーで飲んでいても、昔に比べ賑やかになったとは感じなかった。ソンクラーン前だからかもしれないけれど、「活気があるなあ」という雰囲気とは程遠い気がする。

長くなってしまったが、結論を言えば「タイの景気はそんなによくないのではないか」と個人的には思うのだ。少なくともパタヤ地域及び観光産業といった分野においては。
でも、予想していた程悪くもない気もする。「ここ何年間でタイの景気は後退する」と数年前から予測していて、その後プミポン国王ご逝去という大事件があったにも関わらずそこまで落ちてはいないから、「タイは強いなあ」と個人的には感心しているのだ。

しかし、ヴェトナムを見限ってタイに戻ろうか、などと考えてはみるものの、一時的に戻っていざ生活してしてみると「なんだかなあ…」としっくりこない自分がいるからまったく困ってしまう。

まあ、物価が上がり続けることは容認しよう。

但し、一気に景気が悪くなるのは勘弁してもらいたいものだ。


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