P.R.Iパタヤ総合研究所

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buy1get1freeプロモーションが示すものとはいったい何か

      2023/05/20

いやいや。モップが足に当たってるし。
モップ
写真 2016-02-24 15 50 26

カフェでコーヒーを飲みつつ物思いに耽っている最中に足をツンツンされて気分の良かろうはずもないが、タイの飲食店において来客中の店内清掃はデフォルトである。
しかも、場所は天下の某スターバックスコーヒー。世界最大規模のコーヒーチェーン店でそれなのだから、ひょっとして世界基準なのだろうか。もしくはタイルールか。他の国ではどーだったかなあ?と思い返してみても記憶は定かでない。

「ニッポンの常識は世界の非常識」というケースはよくあるし、海外で暮らしていると特に実感する。
「お客様は神様です」という言葉通りとかく客に媚びがちだが、世界基準では案外クールだったりするのもその一例であろう。私自身二十年近く飲食店を経営して来て、目の前で床を掃かれたりモップでゴシゴシ擦られるシーンには正直閉口する。床に何かをぶちまけたのならば話は別だが、どーしても今やらなければならないか?と、つい思ってしまうのだ。理由としては①ほこりが立つ②食事中に相応しい光景ではない。が主に挙げられる。

それを過剰サーヴィスと捉えるか否かは個人差があるかもだが、少なくとも自分の店ではやらない。「お客様には常に最高の居心地を提供したい」というのが、当時当店のモットーだったからだ。

そんなことを考えていたら、目の前のハイスツールにエプロンをしたままの従業員が腰掛けて何かし始めた。
従業員

「ああ。ないわあ」と、またしても思う。

飲食店において従業員が、しかも制服のままで客席に座るのはタブーだと考えるが如何だろうか。仮にヒマな時間に隅の方の目に付かない場所ならいざ知らず店内ど真ん中のテーブルである。

「スタバも堕ちたものだな」と、正直感じた。まあ、余計なお世話だし、経営方針なのだから好きにすればいいんだけどね。

ただ、振り返ってみれば私がやっていたのも今思えば相当に変な店だった。

喫茶店にも関わらずコーヒーのお替わり自由。豆の原価はたかが知れているし「少しでも長く寛いでもらう為」という店の方針だったが、それしてもお替わり自由は如何なものか。計6杯飲んだ人が最高記録だったが、考えれてみればカフェイン中毒でぶっ倒れなくて本当に良かったと思う。
1999年3月のオープン当初から500円(税込み)と決して安くはなかったし、そもそも商売というよりは趣味の店だった。実際問題「こーいう店があったらいいなあ」というイメージを具現化しただけなのだ。

店内奥にはド派手なブースがデンと構えており週末はDJがB.G.Mを選曲。「ちょっと音下げてもらえませんか」とお客さんから言われても音量は彼らに任せて無視していた。主にジャズやボサノヴァがメインだったとしても、ボリュウムは決して喫茶店のレヴェルではなかったはず。しかし、そもそも満席ともなるとお客さんの話し声の総量はかなりのものだったし、会話に邪魔になるミドルトーン(中音域)のレヴェルは絞っていた。当初はそーいうことをキッチリ理解しているDJしか居なかったし、結果的には全て居心地を重視しての話なのだから。

あと、オーナーである私自身がお客様のテーブルに座って話すこともしばしばだったし、カウンター席に限っては従業員がまかないを食するのもオッケーであり、そもそも制服さえなかった。だから、私ごときがサーヴィス業についてとやかく言う筋合いもないし、それらはあくまでも個人の捉え方だとも思う。

「それにしてもあれはいい店だったよなあ…」などと独り傷心に沈んでいたら、突然足をドンとモップでつつかれたのだった。

某スタバでは今日午後二時から四時までの間「buy1get1free」のプロモーションが行われていた。先週たまたまその現場に出くわした私は最終日の今日、それを目指して同店を訪れたワケだが、お陰でいろんなことを回想できてとても楽しかった。

飲食店に関わらずタイではこの手のプロモーションがやたらと多いけれど、ニッポンに住んでいた当時はあまり見かけなかったなあ。
実際「半額セール」とどれくらい違うものなのだろうか。などと考え出すとキリがなくなるからやめておくことにしよう。

数日前、東南アジア某国で某飲食店に勤務していた友達に連絡を取ったら、なんと彼は一年以上前に店を辞め同所で独立したという。偶然それを知った私が早速連絡を取ると、いたって元気そうな彼は電話口で高らかに笑っていた。

数十年前からニッポンで飲食店を経営し、二店舗三店舗と順調に店を増やしていたが手を広げ過ぎて失速。結局全て閉めて一時は勤め人になっていた。海外に活路を求めた会社の方針に従い東南アジア勤務となり、それなりに成功していたはずだった。最終的には家族も全て移住し順風満帆に思えたが、まさかまた独立するとは驚きだ。おそらくかなりの報酬を得ていたはずだし、数年前に私が店を訪れた時はとても満足げな様子だったのだ。

一度失敗したことに再び挑戦するのはもの凄く勇気のいることだと思う。しかも、養う必要のある家族がいれば尚更だ。

タイに移住した当初は「この国を盛り上げるのだ!」とやる気満々だった私も、いつしかこの国の独特のムードに流され、保守的で「タイラヴ!」の国民性を知り、飲食店の出店を躊躇し続けて来た。

だから余計、彼の独立には刺激を受けたのである。

ハノイで何が待ち受けているかは定かでないにせよ、もう一度飲食店に関わる気持ちがかなり盛り上がっている中での今日の出来事は、
少なくとも私に何らかの啓示を与えてくれたのであった。


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