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ニッポンが世界に誇れるものは何かと考えてみる

      2015/01/20

亡き父に連れられて幼い頃から行っていた影響もあって無類のサウナ好きとなり、今でも週に一度は通っている。幸いなことにパタヤにはサウナ施設がたくさんあり、その多くが比較的大規模で男女混浴スタイルなのが特徴であろうか。マッサージルームやジャグジー、プール等も兼ね備えていて「スパ」と呼ばれる所もある。

内容にはちょっとうるさい私にとってサウナルームや冷水の温度、コストパフォーマンスなどから考えて「ココ」という決定的な店がないのは、どーしてもニッポンの「スーパー銭湯」と比べてしまうからだろうか。そんな中、最近では二、三軒をローテーションで利用している。

タイの場合ニッポンとは違い、赤外線の上に置かれた焼き石に水を掛け水蒸気によって室温を上げるスタイルがデフォルトであり、基本的に温度が低いのが難点だが、ロシア人、韓国人、北欧系とサウナ好きな国民の様子を見ていると、どうやらニッポンの方(乾式サウナ)が珍しいようだ。それにしても本当に様々な国の人々がやって来て、サウナルームは時として「ワールドワイド」な空間となるのでなかなか面白い。

さて、実は今日も某サウナに行って来たのだが、結構人が多くて空くのを待とうと本を読んでいたら割と早く読み終えてしまった。それはM氏の「N」という小説の後編で読むのはもう五回目くらいなのだけれど、表現や描写があまりにも素晴らしくていつも不思議な気持ちになる。感銘や羨望や嫉妬や他にも様々な感情が渦巻いて複雑な心境に陥ってしまうのだ。しかし、最後には必ず同じ結論に行き着く。「ニッポン語とはなんと美しいものなのだろう」と。

漢字ひらがなカタカナの三種類を使い分け人間の微妙な感情や起こる出来事、状況を文字で表現。句読点括弧余白改行を巧みに使い分け文章を構成することによって時にそれはとてつもなく美しいモノとなる。そして文庫本。これほど素晴らしいプロダクトがあるだろうか。重量、紙の質感、しっくりとくる手応え。もしそこに(とても稀ではあるにせよ)美しい文章が収まっているのだとすれば相当な価値がある。もちろんケータイやパソコンも素晴らしいが、アナログ派の私としては永年お世話になっている文庫本とニッポン語の文章を愛して止まないのである。

数十分前にサウナルームの中で韓国人英国人ドイツ人ロシア人タイ人そして私ニッポン人が一緒になり「あんたドイツ人か。サッカーはドイツが一番だな」「マリオゴッツェは最高だ」と盛り上がった時、(はて、ニッポンは何が一番か?)と悩んだが、「車でもテクノロジーでも職人技でもないそれは紛れもなくニッポン語だ」と、その素晴らしい小説を読み終えてあらためて確信したのだった。

もちろんあくまでも個人的意見だし、M氏の文章に感化されたからかもしれないけれど、私もこーして多少なりとも文章を書く人間としてニッポン語の素晴らしさを世界に誇りたい。たかが数カ国後のカタコトしか使えない輩が何を偉そうに、と言われようがイイモノはイイのだ!

但し、サウナと文庫本を比べた場合、もし仮に「どちらかを選べ」となったら迷わずサウナを取る。

そして、フィンランドの人々に心から「ありがとう」と言いたい。


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