旅の予定を立てるということ
チェンマイの夢を見た。
と言っても、何の脈絡もなくということではない。昨晩チェンマイのホテルを予約したし、その際にかなり時間を掛けて厳選、もちろん行動計画など色々妄想しつつ無数にある宿泊施設の中からエリアや価格などの条件を絞ってチョイスしたワケで。
夢の内容は昔の友人二人と一緒にチェンマイの街を散策するというものだったが、細かいことは記憶にない。いずれにせよ、行き先が決まって宿を選ぶのは私にとってとてもとても楽しい珠玉の時間であり、旅というのは予定を立てつつ様々なことに想いを馳せるのが最大の楽しみなのである。当日がやって来て出発してしまったらもう終わりの始まりで、あとはアッという間だ。
たっぷり一晩かけて妄想の旅に出た私はそのイメージのまま眠りに就き、だから夢にまで投影されたのだろう。なんと分かりやすい単純な人。
さて、一体何故突然チェンマイ??って話。それは某「ベトジェットエアー」が関空→チェンマイ便の就航プロモーションをやっていてチケットが安かったから。
そう。エアチケットを購入したのである。日付は6月11日。価格は約15,000円(*片道)。
6月?ん?どーしてそんな中途半端な時期に??
実は今の会社を5月一杯で辞め、実家の名古屋に帰ることになった。今後は家業を手伝いつつ、名古屋とパタヤを行き来する生活となる。で、手始めに3ヶ月ほどタイに戻る予定だ。ズルズルしてしまうとマズいので復路のチケットも既に購入済。某「ピーチ」のバンコク→関空便でこちらは7,740THBだった。
広島の街は便利で住みやすいし結構気に入っていたのだけれど、元々の条件であったハノイの仕事復活の目処は立たず、(どうせこのまま日本に居るのだったら…)と考えて決断した。また新たな人生の始まりだ。
タイ第二の都市チェンマイには何度も行ったことがあるけれど、ヒジョーに良い所であってバンコクから移住する際の候補地の一つにも上がったくらい。初めてのタイツアーで数日間訪れた際はフアランポーン駅から寝台列車で往復。現地で知り合った女子大生にカラオケやクラブに連れて行ってもらってとても楽しかったし、一人で居ても誰かが相手をしてくれて寂しい思いをした記憶があまりない。まあ、あの頃はまだ今よりも多少若く、タイ人の優しさを存分に受けていた時期でもあった。独りぼっちでガイドブック片手にフラフラウロウロしている観光客を放って置かない温かい雰囲気が確実にあるし、私のような怪しいおっさんですらその恩恵にあずかれる懐の深さを、彼の国には感じざるを得ない。
いくつもの想い出があるチェンマイに、せっかくだから数日間滞在しようと、とりあえずホテルを一泊予約した。最近人気のニマンヘミンエリアには洒落たカフェや雑貨店がたくさんあるらしい。Rハちゃんの友達でチェンマイ在住のM嬢と現地でうまく会えれば良いのだが。
それにしても行き当たりばったりな暮らしだなあ、と、自分でも思う。この歳になってちゃんとした計画もなくフラフラし過ぎだよね、私の場合。
まあ、若かりし頃にバブル時代の恩恵を受けて十分過ぎるほど楽しませてもらったので、(もういつ死んでもいいかな)と早い段階で人生に達観してしまった感はある。一応結婚生活も経験したし、(この先行きの暗い時代に生まれて来たとして果たして幸せにできるのか?)という疑念を言い訳に子供を持たず、自分だけで気ままな生活を送ることを決めてからは好きなようにやって来た。もし家族がいたらどーだったのか。と想像することもあるけれど、いい父親、ましてやいい旦那でいられただろう自信など全くない。だからこれで良かったのだ。
そーだ、そーだ。
そーに決まった。
問題はこの先いかに他人に迷惑を掛けず生きられるかである。タイでの長きに渡る無職時代「いかにお金を使わずに暮らすか」を経験したから、リタイヤ後は年金だけで何とかやっていけるはず。あとは死に際の潔さだけれど、(もうダメだ)と思ったらアンダマン海の沖でボートのへりに座って拳銃を咥えて自殺、サメに喰われて死体は出て来ず、パスポートなど身辺も処理しておけば「行方不明者扱い」となってなんとかなるのではないか?と、勝手に妄想している。うまくいくかなあ。果たしてどーだろう。
というワケで、
人生という旅も終わりが近づく中、
つつがないことを祈るのみである。
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Comment
諦めて達観するにはまだまだ早いですよ。
もし90歳になっても人生に目標があれば楽しめますよ。
例えば、ピアニストのフジコヘミングは90歳でもコンサートしてますしね。
目標作りましょう。やりたいことリスト100個くらい
fanmixさん。コメントありがとうございます。
そーですね。最近もの忘れが酷いなどボケ(アルツハイマー的)の症状を痛感していまして、(ああもうこの先長くないのかな)という恐怖を覚えています。
とはいえ、健康診断の結果は上々ですし現実的にはまだまだ生きられるでしょうから、確かにやりたいことが叶う可能性は大いにありますね。
某映画に影響されて十数年前に考えた「死ぬまでにしたい10のこと」リストはたしか、「カンプノウでクラシコ観戦」とか「芸能人と付き合ってフライデーされる」等だった記憶がうっすらとありますが、あらためてもう一度考えてみようかと思います。
そーいえば「長編小説を完成させて直木賞を獲る」というのもあったかな。短編はいくつかありますが、構想を描いていた長編は何度もチャレンジしつつ未だに完成していないので、いつかは最後まで書いてみたいと薄々思っています。