B.T.Sに乗りたくない症候群
「結局長袖シャツがベストなんだよなあ」
そう結論づけたのは、タイ移住三年目くらいのことだっただろうか。
外出時に身に着ける衣服についてであり、そんなごくごく基本的な事柄にそれほど時間が掛かるのにはもちろん様々な理由があったワケで。フツーに考えれば常夏のタイではTシャツに短パンというのがフラフラしている無職男子にとってはもっとも適した格好だと思われるのにいったい何故?
①屋内のエアコンの設定温度が低いケースが多い。
特に暑期には異常なほどに寒い場所が相当あり、半袖一枚では凍えてしまう為羽織るモノ(カーディガン等)を携行せねばならい。しかし、長袖シャツならば普段は捲っておいてイザとなったら伸ばすことによって一枚でも何とか凌げるのだ。
②胸ポケットにお札を入れればバッグを持たず手ブラでオッケー。
移住した当初、タスキ掛けのバッグに財布などを入れてバンコクの繁華街を深夜歩いているとやたらとケーサツ官に止められて職質&持ち物検査をされたので、手ブラで出歩くようになったら一切なくなった。当然持ち物は必要最小限。財布もやめ、カード入れと小銭入れとマネークリップに挟んだお札とケータイのみ。となると、Tシャツで腰にカーディガンを巻きズボンの右ポケットにケータイとお札、というよりはシャツの胸ポケットにお札を入れた方がしっくりくる。
③タイでは一般的に襟付きのシャツの方が「キチッとしている」という印象を持たれるらしく、特に女子ウケが良い。
もちろんタイだけではないと思うけれど、常夏の国だからこそより一層その傾向が強いのではないか。つまりTシャツよりもポロシャツ、ポロシャツよりも布帛のシャツの方がよりフォーマル(大袈裟に言えば)であり対外的に無難とも言える。そして、それはディスコなどに遊びに行く場合絶対的な条件でもあった(*軽く見られないという意味で)。
④Tシャツポロシャツよりも布帛のシャツの方が生地や織り方のバリエーションが豊富。
一般的にポロシャツは鹿の子織りであって生地は結構厚いから、綿のペラペラの生地や麻(混含む)のシャツの方が涼しかったりするし、ネルシャツのように分厚くて寒さを凌げるモノもある。TPOで使い分けられるのだ。
主にそれらの理由でその件を悟ってからは基本的に出掛ける時はほぼ長袖シャツ一枚。
となると、ボトムはショートパンツにサンダルとはならず長ズボンにスニーカーが基本だ。短パンを合わせても良いけれど、長袖シャツを半分捲った場合バランス的になかなか難しいし、そもそも人様にお見せできるような足でもない。ちなみに家に居る時はTシャツ短パン姿であり、近所の某「BigC」へお買い物に行く時などはそのままだけれど。
唯一気遣う部分はズボンの丈くらいで、常夏の国らしくロールアップして足首をチラ見せするのがよろしいのではないかと思う。
それにしてもバンコクは暑い。
基本的な気温や湿度はおそらくパタヤとほとんど変わらないだろうが、いわゆるヒートアイランド現象によってそう感じるのかもしれない。パタヤではどこに行くにもバイクだから涼しいし炎天下を長時間歩くこともないけれど、バンコクではそうもいかないからすぐに汗だくになる。そして、外が暑いだけに室内がやたらと寒いケースも多い。B.T.SやM.R.T、レストランやバーなども長袖シャツ一枚では耐えられない程寒いところもけっこうあるから体の温度調節ができず風邪をひいてしまう。
そこで仕方なくカーディガンもしくはコットンのサマーセーターを持って行くこととなる。
で、それらを羽織る時に長袖シャツの場合捲った袖をいちいち元に戻さねばならず、そーなるとむしろ半袖シャツの方が面倒臭くなくて良い。だから、バンコクに出張(?)する際はいつもと少し違う格好になるのだった。
まず最初の難関はバスである。
パタヤエカマイ間の高速バスの車内が恐ろしく寒いので、ここで必ず一枚羽織ることになる。その後も、レンタカーやタクシーの車内とか某「ソンブーン」某メッサージパーラー某55バーなどなど、あらゆるシーンでセーターを着る。外に出る時に脱ぐ。その繰り返し。面倒臭いったらありゃしない。
パタヤでそこまで寒い場所ってあるかなあ。最近行かないけど55バーもそこまでヒドくはないし某「insomnia」だって長袖シャツ一枚でまったく問題ない。上に一枚羽織るなんて乾期の一番涼しい時くらいのものだ。
やはり、快適さで言えば比べ物にならないほどバンコクはヒドい。
そして、何と言っても恐怖のB.T.S。
先回訪れた際もラッシュ時には一度では乗れないことが何度かあったし、乗れたとしてもあの寿司詰め状態は本当にもう勘弁して欲しい。ゲストが日本に帰って一人になってから、夕方プロンポンの駅のホームまで行ったもののあまりにも人が多かったので乗らずに改札を出てしまった。エカマイのバスターミナルまで歩こうと思ったけれど、あまりにもしんどくて途中バイタクを拾った。
B.T.Sにはマヂで乗りたくないぞ。
バンコクで暮らすのもイヤだよ〜!
関連記事
-
-
パタヤの魅力は魔力でもあるのだろうか
「もう少し広かったらなあ…」 暑期も間近となりいよいよ本格的に暑くな …
-
-
輩達との闘いは果てしなく続く
「十倍かよ!」 遂に捕まった。 まあ、ハイシーズンのパタヤと遜色ないほどケーサツ …
-
-
名門ゴルフコースを前ににビビる
ゴルフ歴は相当古いが、「バブル崩壊」と共に熱は冷めしばらくの間封印していた。しか …
-
-
いつまでも楽園であり続けてくれればと思う
「無事楽園に着いたかなあ?」 友達からのそんなメッセージを見て思い出した。そーか …
-
-
興味のベクトルが人それぞれな件は充分承知の上で
「大袈裟な名前だなあ」 そもそも寺神社仏閣の類いにまったく興味がなく、しかも古い …
-
-
時には江戸っ子気質に憧れたりもする
「破滅型だなあ……」 「宵越しの銭は持たない」という江戸 …
-
-
ヴェトナムの食生活は本当にニッポン人の口に合うのか
タイ王国に何かがあった時のことを考えて、近隣諸国を訪れる場合基本的にはその地に住 …
-
-
それにしても発掘されるのはしょっぱい想い出ばかりなり
「ヤクニキちゃんだ!」 バンコク在住の友達から久しぶりに電話があり、何事か?と思 …
-
-
イライラを解消しようと思ったのに更に深みにハマるの巻
この仕事に向いているかそれとも向いていないかを考えた場合結局は後者なのだ。と、少 …
-
-
「トムとジェリー」の世界へようこそ
「八月ね」 新しく担当になったオカマちゃん(と言ってもキレイ系ではなく重量級)は …
- PREV
- 時代の変遷を実感する時
- NEXT
- 「HARNN」と「THANN」の火花散る争いの行方やいかに