タイにおける新たな時代の「クラブ活動」が有する意義とは何か(その一)
2015/06/13
バブル時代、不動産業界でその「崩壊」までのプロセスを現場の最前線で眺めつつ、所属していた某団体「青年会議所」では、ホステスが接客するいわゆる「高級クラブ」を夜な夜なハシゴすることを学生の運動部を捩って「クラブ活動」と呼んでいた。
当時ニッポンでは全盛だった「ディスコ」。「ボディコン」「お立ち台」「黒服」「V.I.P」「ドンペリ」などのキイワードと共に一世を風靡したムーヴメントであり、平日から客で一杯だったし、皆、今ではとても考えられないようなお金の遣い方をしていた(*映画「バブルでGO!」参照)。
そう。某「ジュリアナ東京」の巨大シャンデリアが落下するまでは……。
あくまでも中部地区の一地方都市ではあったが、それでも結構な規模で膨らみ続けた「泡」がまさに「弾けて」からは人々の生活様式も激変。「ディスコ」はアンダーグラウンドな「クラブ」(語尾が上がる)へ取って代わり、最新音楽に特化した欧米スタイルへと変遷していく。「不動産」から「芸能」へと業界を転身した私はイヴェントを主宰したり自らもDJをやりながら、引き続きその世界と関わって来たのである。
そんな背景があるとは言え、まさかこの年齢になってまで「ナイトクラビング」(この表現も相当古い)をしているとはあの頃夢にも思わなかった。いや、そんな死語を使うよりも今こそ敢えて「クラブ活動」と表現したい。何故ならばこの国の現状があの「昭和」の時代のニッポンの雰囲気にスゴく似ているから。タイでは未だに「ディスコ」と呼ぶ理由もその辺りにあるのかもしれぬが、意味が分からないニッポン人にはメチャメチャバカにされるのだ。
実際、当時のニッポンの「ディスコ」と現在のタイの「クラブ」は「似ている」けれどまったく「別物」でもある。
一風変わってはいるものの大変魅力的なその独特な文化について、せっかくなのでここでじっくりと検証してみたい(*サブタイトルにある通り想像も含めたあくまでも個人的な見解であり、例え断定的記述があろうとも意見の違いについてはどうかご了承を)。
まずは大前提としていくつかの事柄がある。
①アルコールを嗜む人が多い。②セクシイなダンスで収入を得る「コヨーテ(ィー)」という職種がある。③普段から見慣れている為かセクシイなダンスや衣装にあまり抵抗がない。④そもそも踊るのが好き。⑤恥ずかしがり気質な反面アルコールなどでテンションがアガると突き抜けることも。
もちろん全員とは言わないが、男女問わずタイピープル全般にそーいう傾向があってこそこの話は成立するのだ。次に、そこへ絡んでくる条件がある。
①「観光立国」なので世界中からさまざまな人達が集まり長期滞在者も多い。②働く女性が多く働かない男性も多い。③女性の職業では水商売率が高くホステスのほとんどが「売春」に絡む。④外国人男性とタイガールのカップルが増える。という図式である。
「前提」に「条件」が重なると方向が定まるワケだが、当然のごとく「需要」と「供給」のバランスもあって、うまく合致すればとてつもない「パワー」となり、その結晶こそがこの国での「クラブ」の異常なまでの盛り上がりだと考える。
タイに初めて旅行で訪れた時いろんな部分に衝撃を受けたけれど、その中でも特に驚いたのは「55バー」と「クラブ」で繰り広げられる光景だった。前者ではその内容に呆れ果て、後者ではニッポンや海外との違いにビックリしたのだ。
平日でもピーク時はフロアがたくさんの客で溢れ「乾杯」「乾杯」ともの凄い勢いでアルコールを消費する。それが「大バコ」でも「小バコ」でもメジャー店でもマイナー店でも常にだから、ニッポンの低迷するクラブ事情をよく知る人間として正直かなりショックだった。しかも、ただ体を揺らしたり飛び跳ねるダンスではなく、セクシイなおねーさん達が体をくねらせて男子に迫るのが当たり前で、「なんぢゃコレ!」とビビりつつも完全に「ハマ」ってしまったのである。
いろんな種類のクラブに行き、それぞれの店で正直かなりいい思いをしてタイを後にするのだが、私はすぐに気付いた。
「55」と「クラブ」というタイを代表する「二大カルチャー」には密接な繋がりがあることに。
つづく。
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